筑後の喜多屋・玉水・若波3酒蔵巡り

日本酒・焼酎

「筑後の酒蔵を一緒に見て回りませんか?」というお誘いをいただきました。

今回の視察は、筑後七国の酒文化を活かした着地型観光商品をつくるために、自治体や観光協会の関係者と現地をみようという主旨です。

簡単にいえば商材の目利き。

1日で矢部川流域の酒蔵を11箇所も巡るという強行日程でしたが、どの蔵も個性的で面白かったです

時間が限られていたので、詳しい話は聞けませんでしたが、特徴的だった3蔵を紹介したいと思います。

最初に訪れたのは、2013年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でチャンピオン・サケとなり、すっかり有名になった喜多屋。

入口を入ると、2mはありそうな杉玉が出迎えてくれました。

もともと「白花」という屋号だったそうで、煙突にもうっすらとその痕跡が残っています。

蔵の中に入ると、蔵人がちょうど甑(こしき)で蒸した蒸米を麹室(こうじむろ)に入れる前に放冷している作業に出くわしました。

11月上旬なのにずいぶん早い仕込みだなと思いましたが、その理由はすぐに分かりました。

喜多屋では温度管理の行えるサーマルタンクなどの最新設備を導入しています。

それで夏でも真冬と同じ温度を維持できるわけでs。

搾りはどうしているのかと思ったら、巨大な冷蔵庫の中に機械がありました。

これによってほぼ年中仕込みができるそうです。

大吟醸のタンクを見せてもらいましたが、中から吟醸香が香ってきます。

朝一番から早くもお酒が飲みたくなりました。

現在の温度管理は、IWCを受賞したタンクの温度管理がベースとなっているそうです。

手間と人手をかける部分と先端技術が融合した現代の酒造りを見させていただきました。

昔ながらの仕込み「玉水酒造」

午後に訪れたみやま市の玉水酒造は昔ながらの酒蔵です。

喜多屋と違って、仕込みの準備もまだ始まっていません。

蔵人は山川のみかん農家で、11月はみかんの収穫に追われているそうです。仕

込みは1月~3月の寒仕込み。

お酒につかうお米も地元であれば、消費もほとんど地元です。

古代の品種である神力という米で仕込んだ酒(その名前も神力)を出しています。

ラベルも自作だそうです。

3月の蔵開きには近くの小学校のグラウンドが満車になるほど人が集まり、レジャーシートや弁当を持参してくるんだそう。

まさに地元に愛されている地酒。

 

新たなチャレンジを続ける「若波酒造」

日が暮れる直前に訪れたのは、大川市にある若波酒造。

明日から仕込みを始めるとあって、蔵の道具の手入れがなされ、ほのかに蒸気が立ち昇っていました。

蔵を紹介していただいたのは、8 代目杜氏の今村さん(当時)。

女性杜氏であることにも驚きましたが、蔵の中がまっすぐに見渡せる動線とフラットな床だったことにも驚きました。

先代がつくったバリアフリー酒蔵だそう。

この動線のおかげで、労力もかなり削減できているのだそうです。

蒸米も床で放冷するのではなく、滑車のついた台に載せて麹室までまっすぐに運ぶことができます。

その台には蒸米を早く冷やすための穴まであいています。

さすが家具のまち大川。

あまおうやカシスのリキュール、酒造りの道具をインテリアとした『利き酒処』等、 女性らしい取り組みも積極的に行われていました。

筑後の酒のファンを育てよう

今回、蔵を巡る中で、筑後の酒蔵を集めたパンフレットや展示会等も企画されているという話を聞きました。

地元で盛り上がるのは非常にいいことだなと思います。

私たちみたいな外部の人間に何がお手伝いできるだろうと考えたときに、思いつくのはやはりファンづくりだと思います。

幸い日本酒は毎年新酒が出るので、気に入ってもらえればリピーターになってくれそうです。

ファンを集めるための母体として、まず研究会をつくってはどうかと提案したところ、さっそく準備会をやろうという話になりました。

左党が多いので話は早い。

飲むことはもちろんのこと、酒米や杜氏など、面白い話はたくさん眠っていそうです。

研究成果は随時紹介していきたいと思います。