コンサルティング

地域づくりの原点になった書籍とよく受ける質問

こんにちは、ほんちゃん(@hmasa70)です。

「地域づくりに関わりたい」と学生や地域おこし協力隊からよく相談されます。

具体的にどんなことをすればいいのか、具体的なイメージがないようです。

僕自身は地域が困ったことを手伝うのは、なんでも地域づくりと思っています。

とはいえ、きっかけはありました。

ボクが地域づくりに興味を持つきっかけになった本との出会いを中心に、振り返ってみたいと思います。

合わせて普段よく受ける質問にも答えていますので、地域づくりに興味ある人は参考にしてください。

地域づくりに関わるきっかけは民俗学

そもそも地域づくりとの出会いのきっかけは、宮本常一の民俗学。

民俗学といえば「遠野物語」の柳田國男が有名ですが、「地域づくり」に関しては宮本常一が原点だと思います。

宮本は生涯を通じてフィールドワークしつづけ、1,200軒以上の民家に宿泊したそう。

日本各地の農山漁村をみてまわった知見から、農業や産業指導をしていました。

周防の猿まわしや佐渡の鬼太鼓(のちの鼓童)などを再発見し、支援したのも宮本さんです。

彼の代表作「忘れられた日本人」は、ボクが入社したときに最初に読んだ本の一つ。

戦後まもない日本の漁村や農村をくまなく見て回った旅の記録です。

集落の古老たちの言葉遣い、風習やしきたりなどが丁寧に描写されていて、観察力や洞察力には目をみはるものがあります。

戦後直後の当時、名もなき集落や住民の生活に着目したことも驚きですが、交通網が未発達の時代に全国をくまなく歩き回ったこと自体驚きです。

地道に通いながら、普段は出てこない地元の声を拾うというフィールドワークの大切さは、私の地域づくりの関わり方のベースとなっています。

まちづくりの原点は都市計画

地域づくりに似た言葉で「まちづくり」もよく使われます。

「地域づくり」と「まちづくり」は同じようですが、実は出どころが違います。

まちづくりという言葉を広めたのは横浜市の都市プランナーとして活躍された田村明さん。

横浜のみなとみらい21や横浜スタジアムなど、まさに新しい都市(まち)をつくるという発想から生まれた言葉でした。

実は私も大学時代は都市計画を学んだ人間なので、地域づくりよりもまちづくりの方が馴染みがあります。

今でこそ、地域活性化や地方創生などさまざまな意味合いで「まちづくり」という言葉が用いられていますが、人口増加が続いていた80年代、90年代までは都市計画や建築分野の人たちが主に用いる言葉でした。

人口減少、都市縮小が進みだした2000年代以降は、地域の課題も一様ではなくなり、ランドスケープ、出版社や旅行会社、WEBメディア、NPO、地域おこし協力隊など幅広く分野の組織や個人が関わるようになってきました。

「地域づくり」も「まちづくり」も集落やコミュニティの維持・継続がミッションなのは変わりません。

地域という言葉がエリアとしては広く、都市も包括した概念だと思います。

ボク自身は農山漁村地域に関わることが多いので、意識的に「地域づくり」という言葉を使っています。

地域づくりの分野や範囲は?

地域づくりの分野や範囲はどこまでなの?と聞かれると、正直とても悩みます。

賛否両論ありますが、「婚活」や「ゆるキャラ」など、実にさまざまな取り組みが「地域づくり」や「まちづくり」という名目で行われているからです。

自分なりの定義を持ちたいと悩んだ時期がありましたが、T型集落点検(※要説明)で有名な熊本大学名誉教授の徳野先生にそのことを話したとき、

「集落の維持に関わる取り組みは、なんでも地域づくりでしょ!」

といわれて、なんでもいいんだと逆に吹っ切れました(笑)

要は自分や家族のお世話以外は、みんな地域づくりの範ちゅうだと私は理解しています。

これから地域づくりに関わりたい人の入門書7選

2018年4月12日

地域づくりの相談や依頼はどこから?

「地域づくりの仕事は誰がお願いしているの?」

ということもよく聞かれます。

これは個人差や会社によって得意分野が違うので、一概にはいえないですが、自分の場合だと行政からの相談が多いですね。

地域内の空き家分布や劣化状況を1軒1軒調べて回ったり、連絡のついた所有者に今後の利用意向を尋ねるというお手伝いをしたりします。

農村集落の役員さんから「都市との交流事業を行いたいから手伝ってくれ」と直接依頼を受けることも。

糸島市福吉地域で2回目の農園チャレンジ

2016年6月1日

また住宅地のエリアマネジメントのお手伝い(地域住民の利害調整やコミュニケーションのサポート)を民間企業から依頼されることもあります。

先ほども述べたように、地域づくりやまちづくりに多様な主体が関わるようになってきて、もともと都市計画を本業としていた同業者でも仕事の内容がどんどん変わっています。

身近な知り合いだけでも、公共交通や旅行業に特化していたり、特産品開発、漁協や漁師専門のコンサルタントなど内容は実にさまざまです。

地域課題もさまざまなので、プロジェクトチームを組んで対応することも増えています。

地域づくり活動実績

2018年1月28日

地域づくりに関わるには?

地域づくりに関わりたいという学生や地域おこし協力隊も、かなり最近増えていますね。

地域と関わりながら、さまざまな経験を積みたいようです。

建築や都市計画だけでなく、経済や観光などの学部の学生から問い合わせをもらいます。

興味を持っていても、地域との接点はなかなかないもの。

そのため、学生グループと地域をつなげるゼミなども手伝っています。

昔の写真をみながら、地域の歴史や生活を聞いたり、海に海藻を取りにいったりしました。

学生も地域住民もお互いに新しい発見や刺激があって、新鮮だったようです。

また一緒に集まって、もずくをとったりバーベキューをやろうと盛り上がったり、次の活動につながっています。

いきなり地域に飛び込もうとしても、保守的だったりして仲良くなるまでに時間がかかります。

ボクのように地域と関わりながら、ソトへの発信をしている人とつながり、そこを起点に地元とのネットワークを広げていくのがいいのではないかと思って活動続けています。

福岡県内だったら各地に知り合いもいるので、サポートもできますので、気軽にご相談ください。

ほんちゃん(本田正明)

地方生まれ、地方育ちの40代子育てフリーランス。都市計画の専門家ですが、地場企業や大学、自治体と公民学連携プロジェクトに携わっています。学生たちと農漁村での地域づくりやソーシャルビジネスを展開中。フィールドワーク大好き。福岡県糸島市在住。九州産業大学非常勤講師。

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