空き家活用

空き家への移住失敗しないための4つのポイント

どうも、ほんちゃん(@hmasa70)です。

地道に地域に通ったり、知り合いのツテをたどって、なんとか見つけた空き家。

いざ移住しようと不動産会社に仲介を頼んでみたものの、仲介手数料が安く、コストと手間がかかるので断られることも。

そうした場合、所有者と居住希望者が直接契約することになります(所有者から直接借りる場合は宅建業の免許は不要)。

その際に失敗しないための4つのポイントをまとめました。

建物の改修はどちらの負担で行うか

空き家の所有者から建物を借りることになった場合、何もせずにそのまま住める場合はいいですが、ほとんどの場合で改修が必要になります。

鍵や備品の交換ぐらいであれば少額で済みますが、台所やトイレなどの水回りの改修が必要な場合だと100万円を超えることも!

田舎の物件の場合、下水道が整備されておらず、昔ながらの汲み取り式トイレも多かったりします。

「トイレだけはきれいにしたい!」という女性も多いはず。

簡易水洗のトイレに変えたり、合併浄化槽を入れようと思えば、結構なお値段に。

これらの改修費用を誰が負担するのか?

というのが一番の問題になりますが、結論からいうと、居住希望者が払うケースが多いです。

(中には、一緒に出してくれるオーナーもいます)

所有者の多くは、空き家にお金をかける余裕がありません。

考えてみてください。

あなたが親の家を相続したものの、自分は住まず別に住む家を持つ場合に、自分の家より先に空き家改修にお金をかけますか?

空き家所有者の多くは管理が面倒で、煩わしいから賃貸したいと考えているわけで、積極的な賃貸業を考えているわけではありません。

そのため、生活のために必要最低限の改修であっても、居住希望者の負担になることを想定しておかないといけません。

部屋の片付けはだれが行うか

空き家の中には、前の居住者の荷物がそのまま放置されていることも……。

空き家あるあるですね。

前の居住者が施設入居している場合などによく見られるケースです。

こうした荷物を誰が片付けるのか?というのもまた問題。

改修と同様に、片付けも居住希望者側で行うことが多いのですが、その際に気をつけておくべきポイントとして以下の3つがあります。

  1. 業者に頼むかどうか
  2. 思い出の品などの取り扱い
  3. 仏壇などの処分

順番にみていくと、まず1の業者に頼むかどうかですが、料金は家の規模や部屋数、ゴミの量で変わってきます。

戸建て住宅の場合だと20〜30万円ぐらいかかるでしょうか。

時間の余裕があったり、手伝ってくれる仲間がいれば、自分たちで地道に片付けを行うのも手です。

ボクの場合だと知り合いに軽トラ2台を出してもらい、12人ぐらいが集まって概ね1日で片付きました。

ゴミは2トン(軽トラ7杯分)ぐらい出て、クリーンセンターに搬入した処理費用は4万円ぐらいです。

事前に近所へのあいさつ回りした際に、片付けのことも話していたので、お隣さん、お向かいさんも手伝ってくれました。

地域との関係づくりとしても片付けを一緒にやる効果はあるように思います。

糸島の空き家(古民家)再生プロジェクト(準備編)

2015年11月25日

次に2の思い出の品などの取り扱いは、気をつけないとトラブルに発展しかねません。

自分は不要だと思っても、家族には大切な思い出の品ということがありえます。

無用なトラブルを生まないためには、片付けの前に所有者に貴重品や思い出の品を持ち帰る機会を設けたり、片付けの当日に立ちあってもらうとよいかも。

判断に困る場合は、倉庫などで保管するのも手だと思います。

最後に一番困るのが、3の仏壇や神棚関連の片付け。

仏壇を事業者に処分してもらうと5万円程度(お祓い等含む)の費用がかかります。

そもそも仏壇の処分の了解を取ることが難しいかったりします。

神聖なものを処分するのには誰しも抵抗があるようで、なかなか意思決定できません。

賃貸で住むのであれば、いずれ所有者に家をお返しするわけですから、仏壇については見えないように隠すか、倉庫などの別の場所で保管するなどの検討も必要です。

家賃をどう設定するか

家賃の設定はなかなか悩ましい問題です。

改修も行わずにそのまま住める空き家であれば、相場家賃でいいかもしれません。

一方で、改修費用や片付けの費用を居住希望者側で負担する場合は、所有者に家賃を下げてもらうよう交渉もできると思います。

改修によって、空き家が住める家に変わるわけですから、所有者にとってもメリットはあります。

改修費等の負担分を考慮して、当初の数年間は相場家賃から、割引してもらうこともありでしょう。

そもそも空き家の管理に手間がなくなりますし、固定資産税が払えればいいと考える所有者もけっこういます

ただ、こうした交渉を切り出すタイミングはなかなか難しいのも事実(笑)

相手によって対応はさまざまなので、ベストな方法というのはありませんが、最初からこちらの思い通りに運ぼうとするのではなく、相手の意向に添いながら提案するのがいいようです。

契約期間も重要なポイントですが、高額な改修を行った場合、1年で償還するのはまず難しい……。

最低でも2年間かけて改修費を償還するカタチになると思います。

それ以上の長期契約となると、お互いに状況の変化などもありうるので、不確実性が増します。

逆にいうと、2年ぐらいで償還できる範囲での改修に留めることが重要ということになります。

想定外や不便を楽しむ余裕をもつ

空き家は、借りた後から問題が見つかるケースが山ほどあります。

私が実際に経験したことだけでも、

  • 井戸水が枯れてしまった
  • 雨漏りが始まった
  • シロアリが出た
  • 地震で屋根が崩れた
  • 台所の床が抜けそう
  • 電気の容量が足りなくなった
  • 冬場の隙間風がすごすぎて眠れない

などなど、ざっと挙げるだけでもこれくらいあります。

しかし、これらの問題を事前に想定することはほぼ不可能でしょう。

空き家や古民家暮らしをしようと思うのであれば、想定外や不便さを楽しむくらいの余裕が必要です。

また、所有者に状況報告を定期的に行うなど、追加の改修などをしやすくするための関係づくりも大事になります。

空き家利用はなかなか大変ですが、古い家ならではの魅力があるのも確か。

空き家に住むというプロセス自体がロールプレイングゲームです。

トラブルをどう解決するかも楽しみながら、充実した古民家ライフを目指してください!

ほんちゃん(本田正明)

地方生まれ、地方育ちの40代子育てフリーランス。都市計画の専門家ですが、地場企業や大学、自治体と公民学連携プロジェクトに携わっています。学生たちと農漁村での地域づくりやソーシャルビジネスを展開中。フィールドワーク大好き。福岡県糸島市在住。九州産業大学非常勤講師。

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