フリーランス

e-taxでのフリーランス確定申告の手続きまとめ

こんにちは、ほんちゃん(@hmasa70)です。

フリーランスになって、不安なのが確定申告の手続きです。

年1回なので、大事なときに肝心なことを忘れてしまいがち。

自分の備忘録を兼ねて、必要資料や手順をまとめました。

初めての人が失敗しないよう、自分の経験を踏まえたアドバイスも盛り込んだので参考にしてください。

締切ギリギリになって慌てないよう、しっかり準備しましょう。

確定申告の流れを把握する

まずは、ざっくり確定申告の流れを把握します。

  1. 決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成
  2. 控除関係の書類整理
  3. 年末調整(青色事業専従者がいる場合のみ)
  4. 確定申告書の作成
  5. e-taxでの申請

以上のステップがありますが、労力的には①の決算書の作成が9割くらい。

1年分をまとめて作業すると大変なので毎月1回ぐらいは記帳しましょう。

e-taxを使えば、自宅で確定申告の申請ができ、税務署で混雑せずに済みます。

後でe-taxでの申請時の苦労したポイントもまとめましたので参考に。

以下では、それぞれの項目を細かく見ていきます。

決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成

まず、事業用に銀行口座を一つ設定しておきます。

ボクはこの作業を忘れていたので、プライベートと兼用です。

法人顧客が多いので、お金の出入りはそれほど多くありません。

ただ、クレジットカードは事業でもプライベートでもかなり頻繁に使うので、分けておけばよかったなと後悔しています。

取扱が頻繁な場合は、口座やカードを分けておいたほうがいいです。

帳簿への記帳は毎月末締めで、銀行残高やカード残高と帳簿が一致するか確認を。

ルーティン化しておくと確定申告前に慌てなくて済みます。

当初、勘定科目の仕訳で悩むかと思いましたが、意外とそのつどネットで調べればなんとかなりました。

決算書(貸借対照表、損益計算書)のことがわからなくても、会計ソフトを使えばなんとかなります。

経理や会計を勉強するよりは、ソフトを使いながら覚えた方が早いです。

定番ソフトは、以下の3つ。

以前は、弥生を使っていましたが、銀行口座が連動できるので、現在はマネーフォードを使っています。

確定申告や決算書の作成が、自分だけでは不安な人は、青色申告会を活用したり、税理士にお願いする手もあります。
ボクも初年度は青色申告会に加入しました。費用は年間2〜3万円かかりますが、記帳の仕方を根本的に間違っていたのでアドバイスをもらって助かりました。

控除関係の書類整理

確定申告の際、 所得から控除できる費用の申請のための書類整理が必要です。

ボクが対象になった控除の種類は以下のようなものでした。

火災保険は対象外ですが、人によっては医療費の控除などもあるでしょう。

  • 報酬等の支払調書(仕事相手、講師謝金など)
  • 給与所得の源泉徴収票(前の会社)
  • 国民健康保険税領収証書
  • 国民年金控除証明書(夫婦なら2人分)
  • 生命保険料控除証明書
  • 地震保険料控除証明書
  • 小規模企業共済払込書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(住宅ローン控除がある人)

会社を中途退社した場合や住宅ローン控除を受けている場合などはけっこうややこしいです。

前の会社からの源泉徴収票は、年末ではなく退職後しばらくして送ってくるので、間違って捨てたりしないように。

自宅を事務所と兼用している場合、その費用を経費として計上してしまうと住宅ローン控除を受けられないので、注意が必要です。

所得が少ないときは、源泉徴収されていた税金が戻ってくるケースもあります。

ちなみに、ボクは初年度赤字だったので、30万円近く戻ってきました。

けっこう馬鹿にならないので、きちんと申請しましょう。

小規模企業共済は、個人事業主の退職金の積立になる上に節税にもなります。iDeCo(イデコ)のように60歳まで引き出せないという制約もなく、かなり使い勝手がいいです。
・小規模企業共済(中小機構)

年末調整(青色事業専従者がいる場合)

配偶者などを青色事業専従者(給与スタッフ)にしている場合は、年末調整が必要です。

会社が行ってくれていたことを逆に自分が行うわけです。

ただ、青色事業専従者の年末調整の情報はネットでもあまりなく……。

いろいろと分からず、苦労したので手順を記載しておきます。

要点が分かれば、年末に国税庁から届く分厚い資料にビビることもなくなります。

  • 給与受給者ではなく、給与支払者(事業者)の立場で申請
  • 特別徴収(給与差し引き)でなく普通徴収(事後納付)でよい
  • 給与支払報告書(個人別明細書、総括表)を市区町村に提出(el-tax)
  • 普通徴収申請書を市区町村に提出(el-taxは提出不要)
  • 給与所得の源泉徴収票・合計表は税務署に提出(e-tax)
  • 1月31日までに提出

ボクが混乱したのは、給与支払報告書と普通徴収申請書の提出先は税務署ではなく、市区町村になること。

オンラインでも書類申請できますが、e-tax(国税ポータル)ではなく、el-tax(地方税ポータル)を使わないといけません。

青色事業専従者がいると源泉徴収税額がゼロであっても、所得税徴収高計算書を毎月提出する必要があります。(特例の申請で半年に1回に減らせる)。
この手続きは、e-tax(国税ポータル)で可能なんですが、上記のel-taxの手続きと混乱しないように注意してください。

確定申告書の作成

確定申告の申請書は、会計ソフトが①でつくった決算書データを移行してくれます。

それに②の控除書類の数字を記載していく作業が加わります。

会計ソフトでは、住所や提出先などは過去のデータが使えるメリットも。

印刷して控除関係の添付書類を加えれば、そのまま税務署に提出できます。

会計ソフトですべてを入力して、e-tax用データ (xtx形式) で出力してオンライン申請をすることもできます。

ただ、その手続がかなりややこしい……。

e-taxのWEB版とソフト版があるのですが、それぞれメリット・デメリットがあります。

  • WEB版:手続きがわかりやすいが、再度データの手入力が必要
  • ソフト版:会計ソフトのデータが使えるが、手続きが煩雑

ボクは当初、ソフト版で申請しようとしましたが、前の会社の給与計算や株の配当、住宅ローン控除などの手続きが多く、挫折しました。

手順を丁寧に解説してくれるWEB版がおすすめなので、以下ではその流れを説明します。

e-tax(WEB版)でのオンライン申請

けっこうe-taxの手順はややこしいので、基本的な流れを整理します。

  1. 個人番号カード(電子証明書付き)を取得する
  2. カードリーダライタの準備
  3. 公的個人認証サービスの利用者クライアントソフトのインストール
  4. ルート証明書・中間証明書のインストール
  5. 信頼済みサイトとして登録する(Windowsのみ)
  6. 開始届出書の提出(利用者識別番号の発行)
  7. e-taxサイトでの個人番号カードの事前登録
  8. e-tax用サイトで書類作成、申請

③のソフトインストールは下記のサイトから。手続きには個人番号カードとカードリーダライダが必要です。

④からe-taxのサイトでの作業が始まります。

④、⑤、⑥は上記のサイトの手順に従って作業を進めてください。

⑦では、確定申告を始める前にマイナンバーカード(個人番号カード)をe-taxサイトで事前登録が必要になります。

 (※このページ以降、アクセス可能なのは推奨ブラウザのみ)

一体いくつ事前作業があるんだよという感じですが、利用者識別番号とマイナンバーカードの紐づけを行うわけです。

事前準備、初期登録など、似た表現が多いので、迷わないように気をつけましょう。

あとは流れに沿って入力していきますが、事前に会計ソフトで作成した確定申告書や決算書を打ち出しておくと入力がスムーズです。

e-taxの場合、控除関係の書類の多くが添付を省略できます。

法定申告期限から5年間は保管義務があるので、きちんと管理しましょう。

最後はカードリーダライタを通じて電子署名し、送信して申告が完了です。

さいごに

以上が確定申告の流れです。

初めてe-taxで申請してみましたが、正直使いにくかったです。

会計ソフトでのアウトプットを印刷して、税務署に持っていった方が楽じゃないかと思うこともありました。

ただ、平成31年以降は65万円控除は、オンライン申請のみに限定される可能性もあります。

これを機会にe-taxでの申請も検討してみてください。

ほんちゃん(本田正明)

地方生まれ、地方育ちの40代子育てフリーランス。都市計画の専門家ですが、地場企業や大学、自治体と公民学連携プロジェクトに携わっています。学生たちと農漁村での地域づくりやソーシャルビジネスを展開中。フィールドワーク大好き。福岡県糸島市在住。九州産業大学非常勤講師。

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