コンサルティング

野辺・福の浦地区の地区計画と地域づくりvol.4(加工編)

こんにちは、ほんちゃん(@hmasa70)です。

福岡県糸島市の野辺・福の浦地区での地域づくり活動報告の4回目です。

今回は、第3回で報告した甘夏プロジェクト(仮称)のオープン直前までの取り組みを紹介します。

前回までの取り組みは下記を参照。

野辺・福の浦地区の地区計画と地域づくりvol.3(甘夏編)

2019年5月29日

甘夏果汁の保管と搬送

学生たちと仕込んだ90Lの果汁をどこに保管すればいいか?というのはけっこう大きな課題でした。

冷凍保存する必要があったので、各家庭に分散しても全然足りません。

地元に相談すると、漁協の冷凍庫を貸してくれることに。

漁協は海産物を一時的に保存するために、巨大な冷凍庫を持っています。

5月の時点では、もずくが大量に保管されていたのですが、なんとかスペースを捻出してもらいました。

保管場所については事前に十分考えていなかったので、本当に助かりました。

第3回でも書きましたが、かき氷のシロップは清涼飲料水の許可がある加工所でつくる必要があります。

一般の車両に乗せると、写真のようにかなり一杯一杯。

次年度以降の増産する際は、保管場所や輸送はもっと考えないといけないですね。

余談ですが、凍った甘夏果汁のおかげで、輸送中は冷凍庫の中のような寒さでした。

甘夏シロップの加工

甘夏シロップづくりをお願いした加工所は筑前町にある「職彩工房たくみ」。

代表の尾崎さんは、実は以前働いていた事務所の先輩でもあります。

独立してからも協力してもらえるのは、本当にありがたいです。

  

今回の加工では、シロップと合わせてジュースもつくってもらった。

シロップの受け取りの際、味見をさせてもらいましたが、ほのかな苦みと甘みのバランスがとてもいい。

非常に細かく刻んだ甘夏の皮が加えてられていますが、 風味や苦みだけでなく、食感としても楽しめました。

ただ、加熱処理したてのシロップは熱すぎて持つのもなかなか大変で搬出作業も一苦労でした。

車内は搬入時の極寒と真逆の真夏の炎天下のような暑さで、 汗だくになりながら糸島に帰りました。

今回ご協力いただいた筑前町の加工所は「職彩工房たくみ」のFBサイト。 朝倉やうきはを中心に加工品開発に取り組まれています。

屋号とロゴデザインの試行錯誤

時間は前後しますが、屋号やロゴデザインも並行して検討していました。

当初の名前は部活動っぽく「糸島甘夏部」。

ただそれだとお店としては軽い印象を与えそうなので、最終的には「糸島甘夏堂」にしました。

一方のロゴデザインについては、学生たちがいろいろと案をつくるものの、なかなかいいアイディアが浮かびません。

そんなとき、参考にしていた他のかき氷屋さんのあるデザインに目がとまりました。

それはみかんの輪切りにした断面と「氷」の文字をうまく組み合わせたデザイン。

上手な組み合わせだなと思いながら、ふと「野辺・福の浦の海に沈む「夕日」と「甘夏」を組み合わせてみたらどうだろう?」という考えが浮かびました。

方向性が決まると、学生たちもアイディアがどんどん出てきます。

当初からプロジェクトに協力してくれている松永くんが、最後にカッコよくデザインを仕上げてくれました。

左が松永くんによる仕上げデザイン、右が学生案
今回、ロゴデザインだけでなく、コンセプトづくりから店舗の演出などまで手伝ってくれたら松永くんのWEBサイト。
研究熱心でセンスは抜群。学生たちも刺激を受けていました。
・ZAGCRAFT(ザグクラフト)

地元での甘夏かき氷の試食会

ようやく準備が整ったので、かき氷のお披露目を兼ねたバーベキュー会を野辺・福の浦地区の方々と行いました。

試食会は、かき氷機の使い方や消費量を把握する練習も兼ねています。

雨が降り出しそうな天気でしたが、ありがたいことに30人を超える方々が参加してくれました。

結論からいうと、かき氷は大好評!

中には5杯ぐらいおかわりする人もいました(笑)

苦みに抵抗がないか心配でしたが、小さな子どももバクバク完食するほど。

学生たちも地元の人たちの反応をみて、かき氷に自信を持てたようです。

一方で、シロップが目詰まりしたり、氷を削る刃の角度など改善点も把握できた会合でした。

デザインと利便性の間での学生たちの葛藤

かき氷がほぼできあがり、残すは店舗づくりのみ。

大学のキャンパスに集まり、のぼりやカップの発注、屋台制作の詳細を決めていきます。

メンバーが建築を学んでいるので、 当初は店舗全体を自作する予定でした。

ただ、期間が1ヶ月に及ぶことや費用面を考えると既成品のテントが無難。

また学生たちが凝った屋台テーブルを提案してくれましたが、お客さんにスタッフの足元が見えるので使わないことに。

なかなか彼らの力を発揮できる場所がなく、「指示を出してもらえた方が楽かな」という本音も出てきたり。

それでも天板の素材やレーザープリンターで切り出したロゴをつくるなど、随所に工夫をしてくれました。

テントは甘夏をイメージしたオレンジ色。看板も学生たちが自作
学生たちの目線で、「糸島甘夏堂」の屋台制作プロセスや販売の様子をFBで発信しています。随時更新しているので、こちらも参考に。
※一部、以前の「糸島甘夏部」の表記になっています。

さいごに

学生たちは事業経験もなければ、接客業の経験もないメンバーです。

最初は自分でお金を出してまでかき氷屋さんをすることに不安を持っていたと思います。

事業計画の立案はもちろんのこと、保健所への申請やプレスリリースの作成、メディアへの対応など、不慣れなことばかり。

こちらも大丈夫かな?間に合うかな?抜けてないかな?と、だいぶハラハラしました。

地元の人たちも漁港の場所の提供から、テントが飛ばないように土のうで補強してくれたり、手洗い用の水や椅子代わりのみかん箱を貸してくれるなど、大変協力してくれました。

いろんな方々のおかげで、ようやく販売できるところまで来ました。

これからはなんとか販売をがんばり、完売報告をしたいと思います。

そのためにも、ぜひ野辺・福の浦までかき氷を食べにきてください!

糸島甘夏堂の公式サイトができましたので、詳細については、下記サイトをご覧ください。
・【公式サイト】糸島甘夏堂
映像ディレクターの飯田さんがメンバーとして動画を作成してくれました
ほんちゃん(本田正明)

地方生まれ、地方育ちの40代子育てフリーランス。都市計画の専門家ですが、地場企業や大学、自治体と公民学連携プロジェクトに携わっています。学生たちと農漁村での地域づくりやソーシャルビジネスを展開中。フィールドワーク大好き。福岡県糸島市在住。九州産業大学非常勤講師。

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