ニューパワーを活かす地域コミュニティマネジメントとは?

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こんにちは、ほんちゃん(@hmasa70)です。

『NEW POWERこれからの世界の「新しい力」を手に入れろ』という本を読みました。

これからのコミュニティマネジメントを考える上で必要な考え方が余すところなく紹介されています。

秀逸なのは、昔ながらの力(オールドパワー)を否定するのではなく、その組み合わせを大切にしているところ。

オールドパワーの強い地域コミュニティでも、SNSなどを駆使したニューパワーの活用が重要になります。

とはいえ、オンラインの話が中心で地域コミュニティに活用するにはちょっとハードルが高め。

なので、ボクなりにニューパワーを地域づくりに適用するための読み解きを行ってみました。

地域コミュニティでのマネジメントに関心がある人は参考にしてください。

ニューパワーとは何か

そもそもこの本で、ニューパワーとオールドパワーはどのように定義されているのでしょうか。

本の中では、以下のように位置づけられていました。

オールドパワーニューパワー
貨幣(カレンシー)潮流(カレント)
少数の人が握る多くの人が生み出す
ダウンロード型アップロード型
リーダー主導型仲間主導型
閉鎖的開放的

ニューパワーはある意味で、若い人たちとのこれからの付き合い方のモデルです。

大勢の人がお互いに知恵を出しあったり、お金を集めたり、手を動かしてもらえれば、より大きな力を生み出しやすくなるというのが、この本の主旨です。

特に地方のコミュニティは、知恵もお金も人材も不足している状況なので、いかに若い力を地域に呼び込むかが大事。

とはいえ、オールドパワー感満載の社会には、若い人が関わりたがらないというのも、中間の世代として日々感じるわけです。

これからは、地域の人もニューパワーを通じて、若い人たちの考え方やロジックを理解して付き合わないと、ますます孤立しそう。

関係人口という言葉もありますが、より主体的に地域に関わってくれる人たちをいかに生み出すか、そのマネジメントこそが地域コミュニティにおけるニューパワーだと思います。

ニューパワー、オールドパワーのメリット・デメリット

ニューパワーとオールドパワーをどう使い分けるかですが、そのためにはそれぞれのメリット・デメリットを整理しておく必要があります。

ニューパワーのメリットとしては、若さに代表される行動の速さであり、クラウドファンディングなどのような拡張性がありそうです。

でも、ボクが一番ポイントだと思っているのは、実は自発性。

ニューパワーには、自分たちがいいと感じるものを、自分なりに解釈した上で行動する主体性があります。

今、まさに地域に欠けていて、回復しないといけない機能こそが主体性や自発性でしょう。

一方で、ニューパワーのデメリットとしては、一過性なものが多いこと。

本の中でも紹介されていますが、一時期盛り上がったアイス・バケツ・チャレンジは2014年8月には7900万ドルの寄付金が集まったのに、1年後には50万ドルまで落ち込んでいます。

継続性を考えると、オールドパワーの方が得意そうです。

まずはニューパワーで新しい動きを起こしながら、定着するようにオールドパワーのサポートする組み立てが必要かもしれません。

ニューパワー オールドパワー
メリット・行動が速い
・自発的
・参加者が増える
・確実性が高い
・継続性がある
・成果が読める
デメリット・一過性になりがち
・不確実性が高い
・成果が読めない
・時間や手間がかかる
・受け身的・義務的
・参加者が固定的

オールドパワー組織のニューパワー活用モデル

具体的な事例に興味ある人はぜひ書籍を読んでください。

地域コミュニティマネジメントの参考として1つだけ「全米ライフル協会(NRA)」の例を紹介します。

NRAの取り組みの是非は別として、オールドパワー中心の組織がニューパワーを駆使して成功しているモデルです。

NRAは、所属していないけども、銃所有に利害関係が一致する狩猟クラブや自然保護団体、猟友会などと独立・自立型の草の根ネットワークを構築しています。

ここでNRAがとった戦略は以下の通り。

  • 選挙協力などの「下心」を見せずにつながり続ける
  • 束縛せずに自由な活動を支援する

こうした取り組みが功を奏し、コロラド州の選挙では草の根型のニューパワーで、NRAがまったく表に出ずに銃支持派が選挙に勝利をおさめています。

地域コミュニティでのニューパワーの活かし方

NRAの例から、地域コミュニティが学べることは、以下の3点。

  • 利害関係が一致するグループとつながる
  • 無理やりオールドパワーの組織に組み込まない
  • 束縛せず自由な活動を認める

地域コミュニティにおいても、ニューパワーをうまく活用したければ、上記の考え方は重要だと思います。

博多の伝統的な祭りである山笠は、本来は 櫛田神社の氏子たちが行う地域行事。

でも、現在では全国の「山のぼせ」(山笠に夢中な人の意)によって成り立っています。

これもオールドパワーが、ニューパワーをうまく活用している例だなと感じました。

都市部の人に地域を気に入ってもらい、必要に応じて通ってもらうという関係性は、地域の持続性を考えるとこれからますます重要かもしれません。

博多祇園山笠

地域コミュニティは何から始めるべきか

地域コミュニティおいて、ニューパワーの活かし方はわかったとして、では何から始めるか。

地域によっては、移住者が必要であったり、地場産業の後継者であったり、気になる課題は違うかもしれません。

とはいえ、ボクはまずやるべきことは、地域と利害関係が一致する都市住民とつながることにつきると思います。

根底には、これから地域内だけでは産業も自治機能の維持も厳しくなるので都市との連携は必修だという意識があります。

以下のような切り口を踏まえながら、地域とゆるくつながる都市住民のネットワークを構築していくことです。

  • 親族・親戚などの地縁・血縁
  • 海の幸や山の幸などの食べ物
  • 風景(棚田や海に沈む夕日)
  • 人柄や人情味
  • 地域文化(伝統行事、産業など)

当たり前の内容なのですが、こうしたことを愚直に続けているところはあまりありません。

ボクのこのブログもある意味では、地域づくりに「思い」のある人のネットワークをつくりたくて続けています。

地域に危機感を持っている人は、まず行動に移してほしいです。