こんにちは、ほんちゃん(@hmasa70)です。
地域づくりコンサルティングの仕事をしていると、どうやって法人営業するの?
と聞かれることがあります。
過去の実績や紹介が多いのですが、それをいったら身も蓋もありません。
新規分野を開拓するときは研究会を立ち上げ、その事務局運営を通じて法人から業務を受託することはかなりあります。
その活動が縁で、フリーランス独立後も仕事や相談をよくいただきます。
これまで都市計画や公共施設マネジメント、住宅地エリアマネジメントなどで産学官の研究会をいろいろと行って来ました。
そうした研究会活動がなぜ法人からの仕事につながるのか?
その裏側を紹介したいと思います。
自治体や企業などの法人営業や顧客開拓に興味ある人は参考にしてください。
研究会を開催する意義とは?
そもそも、研究会を開催することの意義はどこにあるのでしょうか?
地域では人口減少などを通じて「空き家」などの地域課題が顕在化しています。
とはいえ、新たな分野には専門家も少なく、体系的に学ぶ機会もありません。
あったとしても、場所が東京などの大都市に限られていたり、高額だったり……。
大きな組織だと数年単位での異動も多く、担当者同士の横のつながりもありません。
特に民間企業と行政の接点も少なく、営業マンとは知り合いでも技術者と突っ込んだ意見交換をすることは稀だったりします。
そんなときに、自分の仕事に関わるテーマで、フラットに参加できる研究会があると重宝がられます。
大学の先生などの研究者も地域の現場の声を聞けるいい機会なので、喜んで協力してくれたり。
- 行政と民間が情報交換できる場
- 担当者同士の悩みや課題の共有
- 先進事例や法制度の状況の共有
地域課題というテーマ自体が分野横断的なので、産学官が集まりやすいのかもしれません。
研究会の事務局運営のメリット
事務局運営は大変じゃないのか? といわれれば、たしかにそうです。
各回の段取りを考えたり、講師との調整、参加の呼びかけ、記録の作成などワークはかなり多め。
参加が少ないと、講師代や会場費を自腹で穴埋めすることもあります。
とはいえ、以下のように事務局運営のメリットもかなりあります。
- 参加者全員と仲良くなれる
- 立場の違う意見をフラットに聞ける
- 仕事仲間という意識が生まれる
- 自分のノウハウやスキルを知ってもらえる
- 仕事や相談につながる
事務局ではなく、参加者でも同じではないかと思うかもしれません。
でも実際にはコミュニケーションの密度がそうとう違います。
事務局としてアンケートやヒアリングを組み込めば、個別の問題意識やニーズの把握もできます。
同じ情報でも問題意識があるかないかで、価値が全然変わってくるわけです。
また研究会のメンバーを通じて、企業などを紹介してもらうことも。
つながりがつながりを呼び、相当精度の高い見込み客が集まります。
ただ経費と時間はかかるので、短期間での業務開拓には不向きかもしれません。
中長期をにらんで業務を開拓したい場合や、同じ問題意識のある仲間づくりに向いています。
どんなテーマの研究会をするべきか
では、どんな分野の研究会が行えばいいのでしょうか?
まずは自分が興味あることが大前提とした上で、ボクは下記の視点を大事にしています。
- 社会的な意義があること
- これから需要が増えそうなこと
- 行政と民間の両方のアプローチが必要なもの
- 専門家や研究者が少ない未開拓分野
これらの視点に加え、自分の専門性を拡張しやすいテーマを考えます。
具体的には、都市計画やまちづくり分野との近さを考慮します。
まったく未知の分野だと、どんなテーマがニーズがあるのか、講師は誰がよいのかもわからず、準備にそうとう時間がかかる場合も。
コストや時間をかけられる立場であればいいですが、フリーランスなどで費用も時間も限られる場合は、テーマ設定は慎重にすべきです。
ファーストステップは仲間づくりから
これまで、さまざまな組織やコミュニティのマネジメントに関わってきたので、ありがたいことに研究会の立ち上げ支援や相談も増えています。
とはいえ、初めて研究会をつくろうと思うと何から手をつければいいのか分からないもの。
そんなとき、ボクは仲間づくりからのスタートをすすめています。
ざっくり研究会の立ち上げステップを整理してみました。
- 自分が興味あるテーマのイベントやゼミに参加する
- 講師や参加者、事務局などとコンタクトを取る
- 上記の人にヒアリングし、研究会の企画を話す
- 興味を持ちそうな人を紹介してもらう
- 上記のことを繰り返し、3人ぐらいの賛同者を得る
- 仲間で事務局を立ち上げる
社会の大きな課題であったり、自分が関心のあるテーマであれば、自治体や企業も協力してくれます。
実績やバックグラウンドがないと信用してもらえないのでは?と思うかもしれません。
でも、法人といっても結局は人が相手。
企画書をきちんと書いたり、自分なりに信頼を得るための工夫は必要です。
ニーズが少なければ、潔く違うテーマに切り替える決断も入ります。
研究会のとりまとめ
研究会を何回開催するかは、ケースバイケースですが、最後にレポートをとりまとめることがおすすめです。
レポート自体が仕事を開拓する際の営業ツールになりますし、コンサルティングのクオリティチェックにもなるからです。
研究会がどのように役に立ったのか、アフターフォローの際にも活用できたり。
- 営業ツールとして活用できる
- 仕事のクオリティを伝える手段
- 一緒に活動した経験の共有
- 参加者のアフターフォロー
研究会はある意味では、無料のコンサルティング体験の提供です。
コンサルタントからみれば、フロントエンドの商品の役割を果たしています。
とはいえフラットな場なので、専門家というよりは一緒に学びながら、考えるというスタンス。
自分が分からないことも知ってもらった上で、出し惜しみせずに付き合うことが大事です。
もちろんすべてが仕事につながるわけではありません。
でも10年ぐらい経ってから、当時の担当者が責任ある立場になって仕事をくれることもあったり。
人との縁が仕事につながる営業スタイルです。
研究会の事務局運営は地味な仕事なので、当然相性もあります。
裏方で地道に汗をかけ、短期の成果を焦らない人に取り組んでもらえればと思います。