こんにちは、ほんちゃん(@hmasa70)です。
2016年にゲストハウス開業合宿に参加したことがあります。
そのときの仲間であるファへちゃんが、ついに大阪で開業すると聞き、泊まりにいってきました。
ゲストハウスの名前は「とろとろ」。
ゆったりした時間が流れる場所にしたいという思いが込められています。
場所も昔ながらの個人商店が残る空堀商店街の一角。
居心地が良くて、1泊のつもりが2泊滞在してきました。
素敵な場所だったので、ファへちゃんの思いと合わせて紹介したいと思います。
きっかけはオーストラリアでのキャンパー生活
ファへちゃんは、大阪生まれの在日韓国人。
開業合宿のときは、最年少の参加者でした。
「私、ほんとうはキャンプ場をするのが夢なんです〜♪」
と天真爛漫にいっていたのを今でも覚えています。
オーストラリアに1年ほど滞在した際、キャンプ場やゲストハウスを転々として暮らしていたのだそう。
そのときに、ゲストハウスをやろうと決意したのだとか。
「木のテーブルを作ったり、なんでも自分でつくってましたね」
キャンプを通じて、共有しながら暮らしたり、自分でモノをつくる楽しさも覚えたそうです。
おっとりした印象とは違って、行動はかなりアクティブ。
「とろとろ」も基本的に大工さんと2人でつくったそう。
合宿のときのイメージスケッチ通りの空間をつくっていることも驚きました。
もてなしの原点は、ヨーロッパでの体験
「おもてなしの原点は、ヨーロッパにいったことかな」
昨年、ドイツやチェコ、オーストラリアなどの3カ国を旅してまわったのだとか。
日常の生活をみてみたくて、宿もAirbnbで探したのだそう。
「向こうって自分の家の一部を開放しているから、すごくもてなしてくれて。『自分も、もてなしたい!』ってなりました」
ヨーロッパでの体験が、小規模でゆったりともてなすスタイルにつながりました。
ライフワークとしてのゲストハウス
ゲストハウスをすると決めてから3年間、仕事をがんばってゲストハウスの開業資金を貯めたそうです。
それは旦那さんや仕事仲間に文句をいわれないためでもありました。
改修費用など、全額自己資金でまかなっています。
「周りからは、すぐ『収益性はあるの?』とかいわれるんです」
実は、とろとろにはベットが4つしかありません。
商店街の立地を考えると、正直もっとベットがほしい。
「私は稼ぐというより、ライフワークとしてやりたくて。裏テーマはおばあちゃんちなんです」
滞在中、ずっと居間でくつろいでいたボクからすると、居間とキッチンがとろとろの魅力。
ゆったりともてなしたい、というのがファへちゃんの思いがにじみでた場所になっています。
収益性を考えすぎると、どうしてもこうした空間が犠牲になりやすいのも事実。
これからは仕事を別に確保しながら、趣味やライフワークの事業をするカタチも増えるかもしれません。
人情味あふれる空堀商店街
なんで空堀商店街を選んだのかも気になるところ。
「戦前からある商店街で、建物を工夫してお店を出している人が多くて好きだったんです」
空堀商店街には干物店や八百屋など、昔ながらの個人商店や古民家カフェやホットドック屋などもあります。
「人がふらりと寄ってくれる環境も残ってて、いい場所なんですよ」
といっている合間も、外国人の観光客たちがこちらをのぞき見していました。
ボクも朝8時にとろとろから通勤すると、魚屋の大将が子どもたちに声をかけていました。
人情味が残っている町なんだとしみじみ感じました。
ゆったり、くつろげる場所に
いいところばかり紹介すると、順調のように見えますが、実は苦労もいろいろ。
「父が電気工事をしているのでお願いしたんですが、初日から大工さんとぶつかってしまって……」
父親と大工の衝突がストレスになり、結局、数十万円の電気工事を外注したのだとか。
楽しいことをしたくて始めたことなのに、お金や手続きに追われて、全然楽しめないときもあったそうです。
開業当初は、夜もお店を開けておでんなどを提供していました。
「けっこう人が集まってくれたんですが、にぎやかになってしまって……」
宿泊者がゆったりできなくなりそうだったのでやめたそうです。
今は朝食などゆったりと過ごせる時間だけ、一般のお客さんにもお店を開けているとのこと。
自分のイメージを大切にしたり、思いを貫くのはなかなか大変です。
おかげさまで、ボクもハードスケジュールだったにもかかわらず、くつろぐことができました。
大阪に用事がある人は、ぜひ立ち寄ってほしい宿です。
ボクも家族を連れてまた訪れたいと思っています。