こんにちは、ほんちゃん (@hmasa70) です。
地域に新たな稼ぎをつくることと並んで、住み続けられる環境づくりはボクの関心事です。
高齢者の1人暮らしでも、地域で孤立せず暮らしていけるゆるやかな繋がりをつくりたい。
四箇田団地の「なごみの家しかた」は、福祉や介護の枠を超えて地域と関わることでそうしたつながりを作っています。
暮らしのセーフティネットとして、民間ができることをもっと知りたいと思い、訪問させてもらいました。
四箇田団地の1階店舗スペースで運営する「なごみの家しかた」
四箇田団地は福岡市早良区にあります。
福岡市の中心部から西鉄バスで約1時間ほどかかる郊外の住宅団地です。
1990年代には5000人を超える住民が住んでいたそうですが、今は人口の流出や減少が進み3000人ほど。
高齢化率も4割近くと高く、一人暮らしの方も多いそうです。
マンションの一階にはスーパーの西鉄ストアがありにぎやか。
でも団地の内側に入ると、打って変わって静かな環境に変わります。
![四箇田団地の中心部で一階は店舗スペースとなっている](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_20190925_095000.jpg)
小規模多機能ホーム「なごみの家しかた」とコミュニティスペース「しかたの茶の間」は商店が並ぶ団地の1階にありました。
施設は並んでいるものの、入口も二つあります。
さて、どちらに伺えばいいのだろう?
悩んでいると、運営をしている宮川さんが出てきてくれました。
![小規模多機能型居宅介護施設なごみの家しかたとコミュニティスペースしかたの茶の間が併設されている。](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_20190925_095358-2.jpg)
小規模多機能型居宅介護といって、利用者ができるだけ自立した日常生活を送るよう施設に通いながら、短期間の宿泊や利用者の自宅への訪問を組合せて、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行うものです。
家庭的な事業所とカフェのようなコミュニティスペース
「なごみの家しかた」に入ると、カウンターキッチンがある住宅のリビングのような空間が広がっていました。
ボクの自宅と同じぐらいの広さです。
高齢者の方々が和気あいあいと話しながら、作業をしている真っ最中。
来訪者に慣れているのか、ボクが入っても驚かれるわけでもなく、中を案内してもらいました。
奥にはお風呂場があり、入浴ができるようになっています。
トイレは多機能で広々としていますが、ほとんど住宅と変わりません。
ちょっと違うのは、リビングに宿泊できるようにベットの間仕切りがあるくらい。
ただ団地に住んでいる人が多いので、宿泊利用はほとんどないそうです。
同じ団地の住民からすると、自宅から隣の友人の部屋を訪れたぐらいの感覚でしょうか。
![なごみの家しかたの中の様子。利用者が思い思いに作業をされていました。](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_20190925_095251.jpg)
続いて見せてもらった隣のコミュニティスペース「しかたの茶の間」は、まるでオープンなカフェ。
おしゃれな装いで家庭的な事業所とは全く違います。
地域の交流の場として、開放的な空間です。
ただ、契約では飲食店などと競合するサービスは行えず、コーヒーぐらいしか出せないとのこと。
普段はイベントスペースとして主催事業を行っています。
空いた時間は幼稚園の保護者会が利用したり、地元の人がバスの待ち時間に立ち寄ったりしているそうです。
![コミュニティスペース「しかたの茶の間」。絵画やちぎり絵は団地の人の作品。明るくオープンなスペースになっている。](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_20190925_095422.jpg)
四箇田団地中心部への進出のこだわり
宮川さんとはシェアオフィスのイベントでお会いして以来、福岡市の空き家活用セミナーで一緒に登壇させてもらうなど、ご縁があります。
ただ、直接取り組みの内容を伺ったことはありませんでした。
どうして四箇田団地に事業所を出したのか、地域と深くかかわろうとするのはどうしてなのかを伺いました。
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当時、スタッフも4人ほど団地に住んでいましたし、四箇田団地を暮らし続ける環境にできればと思って出てきました。
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利用者のアクセスがいいからでしょうか?
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実はデイサービスが始まる時間を決めていません。自分の足で自分が好きなときに来て、好きなときに帰れます。
そうすると主体的に行動できるので、人間の尊厳の維持にもつながります。自分で考えたり、決めたりすると認知症って進行が遅くなるんです。
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コミュニティスペース「しかたの茶の間」の取り組み
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専門家を呼んで、認知症予防の勉強会などをしています。
他には、団地の住民の方に講師になっていただいて、音楽教室やちぎり絵教室、折り紙教室を開催しています。 校区の食進会の方々と「おとな食堂」という活動もしています。
![「なごみカフェ」で認知症予防の話を聞く人たち](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/d96cdc1180a0a0754daf36e84a892305.jpg)
![四箇田校区の食振会と一緒に取り組むおとな食堂](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/aa821e7065fcabce910a337cd460ec68.jpg)
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四箇田団地中心部への進出の効果
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![幼稚園児と交流するなごみの家しかたの利用者の方々](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_20190925_103728-1.jpg)
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![小規模多機能ホーム「なごみの家しかた」を運営する宮川さん](https://honchannel.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_20190925_101640.jpg)
さいごに
帰りがけに立ち話をしていると、 トイレットペーパーを一日何回も買いに来る90代のおじいちゃんの話になりました。
そういう人たちには、大丈夫かなとスタッフが話しかけて仲良くなったりしているそうです。
人通りが多いところに拠点を設けると、人の行動がけっこう見えます。
「受け身」で利用者だけに対応するのではなく、「主体的」に問題がありそうな地域住民の方々に関わっていることに驚きました。
自治会の役員から問題行動がある人の相談も受けたりするのだとか。
自治会費を払っておらず、自治会がサポートできない住民の支援にも関わっています。
仕事を超えた地域への関わり方に頭が下がります。
暮らしのセーフティネットとして、こうした縁の下の働き方にもっとスポットライトが当たってほしいと思いました。
なのに、どうしてわざわざ四箇田団地に新たな拠点をつくられたんですか?